有給休暇が余るんだけど
- みんなどれぐらい有給休暇を取得してる?
- 有給休暇を余らせるとどうなる?
- 休む理由はどうしたらいい?
- 仕事が忙しすぎて休みなんて取れない。
こういった疑問に答えます。
✅本記事の内容
- 有給休暇の取得率に関する調査結果
- 有給休暇の概要について
- 有給休暇を取得するための考え方
- 休むことも大事な理由
この記事を書いている私は、以前は有給休暇のほとんどを取得せずに余らせていました。
休む理由が特になかったということもありますし、休むと迷惑がかかるかなとも思っていました。
しかし、過労が原因で体調を崩してしまったことをきっかけに休むことの重要性を認識しました。
今回ご紹介する有給休暇を取得するための考え方を取り入れたことで、今では有給休暇の取得率は90%程度になるように、積極的に休むことにしています。
「有給休暇が余ってしまう」という方へ、対処方法として、有給休暇を取得するための考え方を紹介していきますので、ぜひ記事をご覧ください。
有給休暇の取得率に関する調査結果
厚生労働省による令和4年就労条件総合調査の概況によると、有給休暇の取得日数は10.3日、有給休暇取得率は58.3%とのことで、過去最高だったそうです。
年次推移を見てみると、平成13~29年(2001~2017年)の取得率は50%未満が続いていましたが、平成30年(2018年)から取得率が51.1%となり、それ以降は毎年増加傾向で、令和4年(2022年)の取得率は58.3%と過去最高になっています。
2019年4月から本格的に始まった「働き方改革」の成果が徐々に現れているものと推測されます。
令和3年の 1 年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者 1 人平均は 17.6 日(令和3年調査 17.9 日)、このうち労働者が取得した日数は 10.3 日(同 10.1 日)で、取得率は 58.3%(同 56.6%)となっており、昭和 59 年以降過去最高となっている。
年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は43.1%(令和3年調査 46.2%)となってお り、これを計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が71.4%(同 69.1%)と最も高くなっ ている(第6表)。
出典:令和4年就労条件総合調査の概況(厚生労働省)p6-7
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/22/dl/gaikyou.pdf
この調査結果の付与日数は繰越日数を除いた日数なので、繰越日数も含めた取得率はもっと低いことが予想されます。
また、有給休暇の計画的付与制度によって「5~6日」を付与している割合が高いことから、労働者自身の都合で自由に取得している有給休暇の日数は「年間10.3日」よりも少ないことも考えられます。
個人的な感想としては、やはり日本はまだまだ有給休暇を取得する文化が根付いていないんだなと感じました。
日本人は真面目だし、周りの空気を読みすぎなんですよね。
それが良いところでもあるのかもしれませんが。
有給休暇の概要について
有給休暇の付与日数や有効期限などは労働基準法によって決まっていますので、その内容を簡単に紹介します。
付与日数
基本的には、会社に入社して6ヶ月が経し、全労働日の8割以上を出勤していれば「10日」の有給休暇が付与されます。
その後1年経過毎に付与日数は増えていき、勤続年数が6年半以上になると毎年「20日」が付与されます。
詳しい内容はこちらを参照ください。
※リーフレットシリーズ労基法39条(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
有効期限と繰越付与
有給休暇の失効期限は2年です。
なので、付与された年度に使用できなかった場合は、翌年度に繰越付与になります。
勤続年数が6年半以上で、20日の有給休暇を付与された場合、年5日の計画付与分を差し引くと、最大15日の有給休暇を翌年度に繰越すことができます。
したがって、有給休暇の最大保持日数は「35日=20日+15日(繰越付与)」となります。
時季変更権
時季変更権とは、従業員が申請を行った有給休暇の取得日に対して、会社側から取得日の変更を求めることができる権利です。
(労働基準法第39条5項)
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
もし時季変更権に該当しないのに、有給休暇の申請を拒否されるのであれば、その会社は労働基準法に対する理解がないということになりますので、転職することを考えたほうが良いと思います。
有給休暇を取得するための考え方
有給休暇を取得したくても、申請しづらい雰囲気がある、休む理由が特に思いつかないなど、なかなか有給休暇を消化できない人もいると思います。
私も昔は、休んでも特にやりたいことがあるわけではないし、休むと同僚に迷惑がかかるし、などと考えて、積極的に有給休暇を使うことはありませんでした。
どちらかというと有給休暇は風邪など体調不良になった時に使うものという感覚でした。
でも今は、積極的に有給休暇を取るようにしています。(理由はこちらで説明しています)
有給休暇を積極的に取得するためには、まずは自分自身の考え方を変えることも必要になりますので、その考え方を紹介します。
有給休暇は「使い切るべき」と考える
勤続年数が長くなると有給休暇の保持日数も多くなるので「有給休暇が多少失効しても、まだ十分あるから大丈夫」という考え方をしていませんか?
もしこのような考え方をしているのでれば、まずは有給休暇は「使い切るべき」と考えるように意識を変えてみましょう。
この意識がなければ、日々の仕事に流されてしまって、結局あまり取得しないことになりがちです。
有給休暇の取得は労働者の権利であり、基本的には労働者の都合によっていつでも取得できるものですので、失効させることなく、ちゃんと使い切るべきです。
もし既に最大保持日数の「35日」に達しているのであれば、繰越付与ができる日数までは取得して、せめて失効対象になる有給休暇はゼロにしましょう。
毎月必ず1回は有給休暇を取得する、というようなマイルールを設定してみるのも良いかもしれません。
休む理由は「休みたいから」で十分
「休む理由が特にないのに申請しづらい」という考え方をしていませんか?
有給休暇を申請するのに、何か特別な理由なんか必要ありません。
単純に「休みたいから」で十分です。
中には休む理由を細かく聞いてくる上司がいたりしますが、適当な理由を伝えておけばよいです。
有給休暇の申請書に理由を記載すると思うのですが「私用のため」で十分です。
極論、朝起きて「仕事にいくの面倒くさいな」と感じたから、有給休暇で休むでもいいわけです。
会社のルールが事前申請でも、体調不良の場合は当日連絡もありですよね。
でも、無断欠勤は周りに心配をかけてしまうので、連絡はちゃんと入れましょう。
休んで迷惑をかけることはお互い様だし、案外そうでもない
仕事を休むと「周りに迷惑がかかる」という考え方をしていませんか?
体調不良でもないのに仕事を休むと周りに迷惑がかかる、と考えてしまい、休めないということがあると思います。
でも「体調不良だったら、休んで迷惑かけていいのか?」
というか「休んだら迷惑がかかるなら、1日も休めないってこと?」と思いませんか。
また、自分以外の人が休むことだってあると思うのですが、その際に多少迷惑を被ることはあるかもしれませんが、それでも仕事は進みますよね。
むしろ、迷惑だとすら思わないケースもあるのではないでしょうか。
つまり、休むことで多少周りに迷惑がかかるのは「お互い様」ですし、自分が思っているほど「周りは迷惑と思っていない」こともあります。
なので、そんなことは気にせず、休みたいときはしっかりと有給休暇を取ればいいのです。
休めないほど仕事が忙しいのは異常
自分の仕事が忙しすぎて「有給休暇で休んだあとが大変」という考え方をしていませんか?
確かに繁忙期など、どうしても仕事が忙しくなる時期というのはあると思いますので、その期間は休みが取りづらいことはあるかもしれません。
でも、常に忙しくて休みが取れないという状態は、会社の仕事として異常なことだと思います。
このような場合は、そもそも圧倒的に人手不足だったり、上司の仕事の采配が無茶苦茶だったりするので、職場の体制改善を上司に相談するなりしましょう。
それでも改善されないのであれば、転職を検討することも必要ではないかと思います。
休むことも大事な理由
有給休暇を取得することなく、ひたすら仕事に没頭することで仕事の成果をあげる、ということも考えられなくはないですが、あまりお勧めできることではありません。
適度な休暇を取らないと、体力的にも精神的にも負担が積み重なって、結果的に体を壊してしまうリスクがあります。
一度過労で体調を崩してしまうと、回復するまでにかなりの時間を要してしまいますし、場合によっては退職せざるを得ない状況になることだってあります。
私も以前は有給休暇をほとんど取得せずに働くことが当たり前になっていましたが、その結果、過労が原因で体調を崩したことがあります。
私の場合は幸いにも回復することができましたが、有給休暇を使ってバランスを取ることの重要性を痛感しました。
休みもしっかりとって、仕事とプライベートのバランスを取ることが、結果的に仕事を長く続けていくことに繋がります。
(仕事は適当がちょうどいい、についてはこちらの記事で紹介しています)
まとめ:有給休暇は積極的に使いましょう!
私も以前は有給休暇を余らせていましたが、今では足りないぐらいです。
労働者の権利である有給休暇をしっかりと活用して、仕事とプライベートのバランスを取ることを意識することが、長く働くためにもとても重要なことだと思います。
有給休暇が余ってしまうという方は、いきなり全部を使い切るのは難しいかもしれませんが、
少しずつでも有給休暇を取得するための考え方を取り入れて、積極的に使ってみてはいかがでしょうか。
今回紹介した内容が、少しでも参考になればいいなと思います。
今回は以上です。
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